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オリジナルと二次創作を揃えております。拙い文章ですがよろしく(^_^)!
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Spellbound |
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2
翌日の一八:〇〇を大分回った頃。
幸治、冴子の通夜が執り行われていた。
正史は、喪主の一人として座していた。
その右手の祭壇には、幸治と冴子の遺影が鎮座していた。
お経が室内に響き渡り、焼香の香が室内に広がっていた。
両の手は硬く握られ、焼香した人達に礼をする正史だが、もしその表情を捉えられたなら、誰しもが心配したに違いない。
半ば放心しているようであったから……。
それでも時折、視線を巡らせて場内を見渡していた。
見知った顔、見知らぬ顔が、俯いたり、正面を見据えたりしていた。
ハンカチで目頭を押さえている女性もいる、冴子の職場の同僚であろうか。
視線を巡らす中で、並ぶ右を見ると、孝治が毅然としていた。
その隣の幸代は、目頭を押さえている。
正史は、孝治とて泣きたい筈だと思う。
ふと、自身の父から『男が、そう簡単に涙してはいかん!』と言われていたことを思い出す。
それを実践していた世代。
人前で涙することはないのかも知れない。
今の正史には、その強さが欲しかった。
両親の不慮の死、そして今、姉である冴子の不慮の死を目の辺りにしたのだから……。
いや、病死だったとしても、納得の出来るものではない。
それが、事故死や殺害であるならば、なおさら、心が参ってしまうのは当然である。
──逃れられぬのよ。
突然の声に、ぴくりと反応し、辺りを窺う。
「……正史君。どうした?」
反応した正史に、孝治が問いかける。
何とも言えない、感覚。
「い、いえ、何でもありません」
そう答えたは良いが、この感覚……。
古風な言い回し……。
どこかで……。
背後に人の気配は感じなかった。
何かが潜んでいるのか?
小さい咳払いが聞こえる。
ここが、斎場であることを思い出す。
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下記、名称をクリックすると詳細を展開します。
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こぐれ まさし |
小暮 正史
西暦1969年09月06日生まれ。身長/体重:169㎝/55㎏
職業:私立探偵。岩井探偵事務所探偵
小暮正彦家長男として生まれる。
本来は温厚であり、何者に対しても優しく接することが出来る。
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こぐれ さえこ |
小暮 冴子
西暦1967年09月16日生まれ。身長/体重:162㎝/45㎏/スリーサイズ未定
職業:スーパーの準社員
小暮正彦家長女として生まれる。
何者かによって、恋人の中尾幸治共々殺害されてしまう。
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なかお こうじ |
中尾 幸治
西暦1965年10月12日生まれ。身長/体重:170㎝/60㎏
職業:警視庁成城警察署刑事課
中尾孝治家、長男として生まれる。
何者かによって、恋人の小暮冴子共々殺害されてしまう。
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なかお たかじ |
中尾 孝治
西暦1930年05月12日生まれ。身長/体重:160㎝/65㎏
職業:元農家
幸治の父親。
戦前生まれのためか、頑固一徹を絵に描いたような人物。
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なかお ゆきよ |
中尾 幸代
西暦1937年 生まれ。身長/体重:155㎝/50㎏
職業:元農家
幸治の母親。
戦前生まれのためか、夫である孝治に付き従うところもある。
一人息子の幸治には、何かと世話を焼きたがる。
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謎の声
正史にしか聞こえなかった声。果たして、何を意味するのか。
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