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Soly japanese only.
書き物の部屋のイメージ オリジナルと二次創作を揃えております。拙い文章ですがよろしく(^_^)!
イットキマンのバナー イットキマン
 はい。みなさ〜ん、元気にしてましたかぁ?
 ナレーターのトミータです。
 前回のお話は読んでくれたかな?

 さて先ずは、解説せねばなるまい。
 松太一行は、廃墟と化した町、座部ジューバの復興に尽力していた。
 どのように尽力しているかと言うと、バーブ前方下部に、町工場二つ、いえ、三つ分の能力がある、小型化された工場を持っている。
 補足するならば、材木、鉄鋼、板金等々の加工機能を有しているのである。
 更に、更に、それはあるだけではないのだ。
 新開発の廃材を元の材料にする機能をも搭載していた。
 その工場をフル稼働して、廃墟を元の町並みに、いや、それ以上に復興させていたのである。
「おやじさん! また、メンテナンスサインが出ました!」
 装置の奥、位置としては、バーブ内部に当たる、その場所。廃材取り込み口を見ていたタカがマイクに叫ぶ。
「おう! 分かった!
 ヒデ、工場機能停止」
 左舷側にある制御室で、松太が工場の操作をしてるヒデに指示を出す。
「了解!」
 一つずつ機械を停止させる。
 ゴーと言う音が徐々に静かになっていく。
「ビーキュウ! メンテナンス開始だ」
 松太の声が工場ブロックに響き渡る。
 ビーキュウが装置全体の中程まで行って、自身と機械を繋いでメンテナンス機能を稼働させる。
 ここで説明しよう!
 売り物に出来なかった上に、工場で使えないのは、以ての外!
 と言う、訳でもなさそうだが、まぁ、機械のメンテナンスくらいはして貰わないと、やたら五月蠅いだけのロボットというのが、あまりにも持った得ない、いや、かわいそうだったから機能を追加したのである。
 そして、ビーキュウがメンテしているその間、松太達も休憩となる。
「おやじさん、痛みは取れましたか?」
 制御室に入ってきたヒロが、手近な椅子に座りながら聞く。
「あぁ、大分取れたよ。だがまだ、改良の余地が残っていそうだ。フィードバックがありすぎだ。あたたた」
「おやじさん。やせ我慢は、体に毒ですよ」
「何を言うか」
 その場に、和やかな笑い声が響いている。
 いやぁ、のどかですね。
 突然だが、ここで説明しておこう!
 そう、前回使用したアーマードスーツは、ただのアーマー付きスーツではなかった。
 筋力増幅機能と呼べるようなものが内蔵されていたのである。
 元々は、医療用補助装置として開発していたのだが、災害時の瓦礫撤去など急を要する場面で使えるのではと、スーツ形態で作っていた物で、少々手を加えてはあるが、まぁ、いわゆる転用と言っていいであろう。
 用途が用途であるため、増幅機能を強化しすぎたのであろう。装着した人物にフィードバックが起こってしまうのである。
 いわゆる、筋肉痛が起こる、のだが。起こる部位が全身くまなく、更に、かなりの激痛を伴うことが分かっている。
 今回使用したスーツ。リビジョンは一〇(一〇回目の改良と、言えばお分かりかな?)であり、改良は進んでいるものの、まだ、使用に耐えるレベルに達していないのである。
 おじさんには、ちょっと、きつかったかもしれない。
 ─ほっとけ! 松太談─
「だったら、フィードバックをもっと少なく出来れば良いんですよねぇ」
 当たり前のことを、真顔で、聞きますか? 聞くまでもないんですがねぇ。ヒデ君。
 ─うるさいなぁ。ヒデ談─
 ぼりぼり、ぽりぽり。
「まぁ、今の機構じゃぁ、限界に近いですからねぇ。……別の視点から考え直さないとだめですか……」
 ヒロが、何故か天井を見つめながら喋る。
 かりかり、がりがり。
 ぷはぁ〜〜。
 最後に入って来たタカが、おいしそうに食べ、飲んでいる、ので、あった。
「……タカ」
 その姿を見て、あきれ果てたのであろう、ヒデがぼそりと呟く。
「ん? このお菓子うまいよ。抹茶もうまいし」
 ……。
 一同、何も言うことが出来なかった。

    *

 さて、解説しよう!
 一方のウーバン一味はと言うと……。
 あ〜、いましたいました。
 とある町で、お仕事の真っ最中のようです。
 バタン!
「おう、注文していた部品は出来たか?」
 勢いよく扉を開けたのは、セイビー。
 虚勢張りまくりで脅しています、ね。
「あ、あの設計図通りには作れない。か、回路として理解できないんだ」
「おうおう。理解出来なきゃな、そのまま作りゃいいだろう」
「そ、それも無理だ、ぶ、部品がない」
「無いだぁ? 部品がなけりゃぁ、作れば良いじゃないか。
 あんたの腕を見込んで頼んでるんだよ。頼むぜ」
 一転して穏やかな口調で宥めることにしたようだ。
 同じ頃、別の場所に出向いている他の二人も、概ね、同じ反応、似た応対をしたことを付け加えておこう。
 とどのつまり、宥めすかし、脅して何とか部品を作らせようとしている。
 果たして、ウバンダー一味の狙いとは、一体何であろうか。

     *

 またまた解説しよう!
 ところは変わって、飛ばされた海岸線沿いの無人の小屋。
 そこに、各々の訪問を終え、ウバンダー一味の一同が介したところである。
「ウーバン様。どうでした?」
「だめだねぇ。お前の設計が悪いんじゃぁないのかい?」
「まぁ、ウーバン様、ひどい。この、この、セイビーの設計が悪いと、仰るの、ですか?」
 ウーバンは、矛先を替えるべく。
「キリーカの方は、どうだったかい?」
 相変わらず言葉が少なく、結局、セイビーが……。
「おのれ〜。今発注しているパーツがないと、アバランカーは復活できない! 戻れない〜!」
 悔しそうに呟く、いや叫ぶ。
 打ち震える怒り(?)に、両拳を振り上げる、が、狭い上に、何もない小屋である。
 そのまま固まるしかなかった。
 哀れ、セイビー。
「そうかい。じゃぁ、しょうがないねぇ。やるしかないねぇ」
 ウーバンは口元に不適な笑みを浮かべる。
 何をする気なのか。

      *

 ガコーン
 キーン
 町のいたるところで、建築の音が響いている。
 松太は、この復興に合わせて、市長にある提案をしていた。
 市長も先の災厄に学び、その提案を一部修正して受け入れた。
 それは、地下避難用アパートメントと、そこへの非難経路の建設であった。
 松太はバーブの中で、町の復興していく様を見ていた。
 短期復興を目指しているため、特殊な工法を取っている。
 ビルであればフロアを幾つかのブロックに分けたモジュールとして、核となる柱に組み付ける。
 民家であれば、部屋単位にモジュール化し、核となる柱に組み付ける。
 この工法であれば、民家は一ヶ月程度で住めるようになるはずで、ビルに関してはも、一〜二ヶ月程度で一階から順次貸し出しが出来るはずである。
 補足説明をしよう!
 その、各モジュール化された内部の柱は、強度が落ちないように配慮されていることは、言うまでもない。
 では、話を進めよう。

 プ、プルル、プ、プルル。
 音と共に、通話装置の内線ランプが点滅する。
 スイッチを押す松太。
「どうした定子」
「あなたぁ、え〜と。あら。何だったかしら?」
 またまた説明せねばなるまい。
 奥さんの定子がのんびりしているのは、もう、お分かりのことと思う。
 付け加えるなら、このように、知らせなければいけないことを、伝えようと思ったことを、何故かど忘れしてしまうのである。
 皆さんも良くあることでしょう。
 無いって?
 そんなことはないでしょう。
「……そうそう、隣町で、物騒なことが、起こってるみたいよ」
 松太は、制御室に備え付けのテレビをつける。
「……いやぁ、参りましたよ。多分男だと思いますがね。その三人組に、量産している部品、ごっそり持ってかれました。
 作業員が三人、何をされたか分からないんですけど、倒されましてね。
 あっ、三人とも、死んだわけじゃないです……」
 説明、するまでもなく、工場で強盗があったようだ。
 レポーター曰く、ここ数日で、五つの工場が襲われた、とのことである。
 さすがに、三つ目以降の工場になると、万全を考えて警備員を雇った、のだが、結果的に盗まれている。
 主な部品としては、航空機用エンジン制御基盤、汎用制御基盤、ヘリカルLSD、ミッション、などなど。
「全く。物付きがいたもんだな」
「そうですねぇ。でも、面白い物も盗まれてますねぇ」
 部品について語るレポーターの言葉に、松太とヒデが、相づちを打つが、二人共、それ以上考えることなく、町の復興のため再び作業に没頭していくのであった。

    *

 それでは解説しよう!
 ウバンダー一味は、海岸線にある無断で借用している小屋の、外にいた。
 何故、なのか。
 開け放たれた小屋の扉、その中に答えがあるようである。
 見てみると……。
 あ〜、機械のような物の一部が見えてますね。
 そう。どこから持ってきたのか、物で溢れてしまった、からであった。
 整理整頓はきちんと……。
 あ、失礼しました。
 そう、もうお分かりの通り、巷を騒がせている強盗は、彼らだったのである。
「セイビー。これだけあれば、何とかなるかい?」
「部品としては、まぁ、何とかなりますがねぇ。装甲がボロボロなんですよぉ。
 しか〜し! この時代の鉄板だと、今までの一・五倍以上の大きさになっちゃうんで、美しいプロポーションが崩れちゃうですよ」
 嘆きながら喋るセイビー。
「あ〜、もう。ごちゃごちゃお言いでないよ。さっさと、メカを作るんだよ」
「分かりましたよ」
 どこから持ってきたのか、木箱においてある紙に、図面を引き出す。

 ちゅんちゅん。
 解説しよう!
 セイビーが図面を引き始めた、翌日である。
 空は晴れ渡り、散歩には良い天気……。
 あ、失礼しました。
「出来た〜! 完成だぁ!」
 大声で、万歳をするセイビー。
「なんだい、なんだい……。ふぁ〜。朝っぱらから、うるさいねぇ」
「うるさいって、ウーバン様。アバランカーに代わる、メカの設計図が出来たんですよ」
「お前ねぇ……。出来たのは設計図だろ? メカが出来たのならまだしも、睡眠の邪魔をするんじゃないよぉ」
「あらぁ、冷たいわねぇ。いいですか……。
 あらまぁ、寝付きの早い、お人だ、こと。
 分かりましたよ。作りますよ。
 キリーカ、手伝ってくれ」
 文句を言うのを諦め、製造に取り掛かることにするセイビー、と、それを手伝うキリーカ。
 あぁ、作者の人、新メカの名前考えといてくださいね。
 ─う〜む、あれが、ガイコツで、あっちが、アバラでしょう。今度は……。作者談─

 ちゅんちゅん。
 またまた、解説しよう。
 セイビーがメカを作り始めた、翌日である。
 いやぁ、今日もまた晴天です。
 これを抜けるような青空って言うんでしょうねぇ。
 あ、失礼しました。
「出来た〜! 完成だぁ!」
 大声で、万歳をするセイビー。
「なんだい、なんだい……。ふぁ〜。朝っぱらから、うるさいねぇ」
「うるさいって、ウーバン様。今度こそ、完成しましたよ」
 どこから奪ってきたのか、大きなブルーシートをかぶせた物体が、ウーバンの目の前で、朝日を浴びていた。
「これかい。大きいねぇ」
「小さくできなかったんですよぉ」
「そんなことより、早くお見せよぉ」
「じゃぁ、行きますよぉ。そ〜れ!」
 シートを引っ張る、が、どこかに引っかかったのか、取れなくなった。
「あらぁ、何で。こう」
 一生懸命引くが、シートが取れない。
 横からキリーカが手伝って、力任せに引っ張る。
 バキ!
「あ〜っ。いやな音が……。
 キリーカ、力入れすぎなんだよ」
 ぐちぐちボヤキながら、メカによじ登り、壊れた場所に行く。
「あ〜。一番肝心な場所が……」
「直せばいいじゃなかぁ。それより、見せておくれよぉ」
「えぇ、じゃぁ、シートを外しますよぉ」
 タラッタッタター。ターターター。
「な、なんだい? この形は?」
 そこには、奇妙な形のメカがあった。
 あまりの奇妙さに、怪訝そうに見上げるウーバン。
「いやぁ、苦労しましたよ、アバランカーをベースにしてますけどね。でかくなる分を、如何に美しく見せるかと言うところが、いや、もう、大変で」
 自慢そうに語るセイビー。
 確かに、大きいです。
 ここで説明せねばなるまい。
 その物体を、ぐるっと眺めると。
 ほぼ正方形の四面であると言える。
 と言うことはサイコロみたいな形と言うことになる。
 気になる箇所と言えば、両サイドの半ばより上の辺りが、外側に出っ張っていること。
 その出っ張りから伸びた部分が、斜め下へ、ちょうど底辺の真ん中当たりで繋がっており。
 反対側は、出っ張りと同じような位置で繋がっている。
 見たままを言うと、外骨格に見えないわけではないが……。
 形としては、何か、どこかで見たような、見ていないような形である。
 言い忘れたが、その出っ張り側の二面には、大径タイヤが二つずつついる。
「名づけて。コッツァバーン、ですよ。美しいでしょう。ぐふふふ」
「コツババーン?」
「あ〜もう、違いますよ。コッツァバーンですよ」
 再び説明しよう。
 某シリーズでは、ガイコツであり、今まで乗ってきたのがアバラをモチーフにしたメカである。
 セイビーは、悩んだ挙句。
 骨盤をモチーフにすることにしたのだ。
 えっ? 別に、人体にこだわらなくても良いだろうって?
 そこは、やはり、今までの経緯も含めて、流れは守らなければいけないのである。
「もう、名前は何でも良いよ。それじゃぁ、出動だよぉ!」
 お待たせしました。
 それにしても、前説が長かったですねぇ、やっぱり。
 作者の人、もう少し縮めてください。
 ─でもなぁ、説明はちゃんとしないといけない。作者談─
「じゃぁ、ウーバン様、乗り込みましょう」
 セイビーがリモコンでハッチを開ける。
「あ〜、お前というやつは、何でこんな品のないところにハッチを付けるんだい」
「お穴だって、言うんでしょ」
「それが品がないって、言うんだよ。このスカポンタ〜ン」
「あぐ。ウーバン様、しょうがないじゃないですか、ここじゃないとコストがかかるんですからぁ」
 あ〜、相変わらず、ぼやきやら、愚痴やらが多い三悪なんでしょうかねぇ。
 とまぁ、かくして、初出動となったコッツァバーン。
 一体どんな機能が隠されているのか。

     *

 それでは解説しよう!
 ここは、松太達の住む町の隣、アンタッテ。
 ドドドドド
 一台の大型メカが、走っている。
 グシャ。ドカ。
 バキ。ベキ。
 付け加えるなら、街を破壊しながら進んでいる所で、言わずと知れた、三悪、コッツァバーンである。
「セイビー。今、どの辺りなんだい?」
 セイビーとキリーカの間にあるモニターには、ナビが表示されており、そこには、現在位置を矢印で、目的地が星印で表示されている。
「え〜と、目的地はここです。もうまもなく着きますよ」
 レバーを操作しながらセイビーが答える。
 ファオファオファオ。
 何やら、前方からけたたましいサイレント共に、押し寄せる車があった。
 アンタッテ警察のパトカーである。
「あ〜、本日は晴天なり〜。
 あ〜。そこの不法、車両? 止まりなさい。止まりなさい!」
 そのパトカーから聞こえる制止の声を聞いた、コッツァバーンでは……。
「ウーバン様。あんなこと、言って、ますけど?」
「あ〜ら。親切だねぇ。挨拶をしておやり」
「イエッ」
「サー」
 いくら静止を呼びかけても止まる気配がない、どころか、加速を始めたようである。
 まぁ、三悪ですから、そんなこと、聞くはずがないのは、当たり前です。
「と、止まれ〜! と、と。た、退避〜!」
 終いには、退避する羽目、となるが、最前列のパトカーは、コッツァバーンの下敷きになる有様。
 グシャ、ベキ、バキ。
 いやはや。何と申しましょうか。
 哀れとしか言いようがないですねぇ。
 さて、何とか、退避できたパトカーが、コッツァバーンの後を追う。
 ここに、壮絶なカーチェイス……、にはならなかった。
 大きさもさることながら、その走行能力の違いによるところが大きく、パトカーは、次第においていかれる事となったわけである。
 パトカーを置き去りにしたコッツァバーンは、更に、家をなぎ倒し、ビルを踏みつぶし、ひたすら一直線に進んで行くのであります。
 今のところ、敵なしの様相を呈しております。
 まぁ、いつものことと言えば、そうなんですが……。
 ─お黙り! ウーバン談─
 あぁ、これは失礼しました。
 さて、話を戻しましょうか。
 そんなこんなで、目的地に着いた一行は……。
「到着〜」
 セイビーがレバーを操作して止める。
「ここかい」
「あの建物の上空、ですね。邪魔だから壊しちゃいましょ、キリーカ」
 キリーカが、パネルを操作する。
 上部が開いて、ポールが出てくる。
 ポールが出終わると、上方部分に折りたたまれていたポールが水平に起き上がる。
 更に、円を描くように羽のような物が隙間なく広がる。
 結果、パラボラアンテナのような形状となり、上下左右に動いてます、ね。
 きっと、多分、概ね、照準を合わせているんでしょう。
「照準よ〜し。発射ぁ。久し振りの、ポチットナ」
 水平に伸びたポールから、薄っすらとではあるが、光の筋が前方の建物に伸びていく。
 その光の筋が、向かって右下から左上へ、移動していく。
 ドドドドドーン
 ガラガラ
 あ〜、建物が崩壊されています。
 中に人がいないことを祈るばかりです
 えっちらおっちら、ではなく、豪快に、その跡地に、コッツァバーンが載っかる。
「この上空が、やわらかいところ何ですよ」
 ここで、説明しておかなければなるまい。
 セイビーが言っている、“やわらかい”、とは、空間構造の脆い所、という意味で、早い話、次元の裂け目を作りやすい場所のことである。
「も一つおまけに、ポチットナ」
 ボタンを押すと、先ほどとは別の場所から、熊手、というか、何と言いましょうか。まぁ、そのような形の物体がせり上がって来る。
 そして、神々しいばかりの光が幾筋か上空に伸び、交点を作る。

     *

 も一つおまけに……。
 あ、失礼しました。
 もとい。

 解説しよう!
 その頃、松太達は、バーブの工場をフル稼働させつつ、街工場の復興にも尽力していた。
 付けっぱなしにしていたテレビから、事件発生のニュースが流れる。
 『アンタッテで、突如大型の作業車でしょうか? 不気味な格好をした車両が現れ、ビルを踏みつぶし、民家をなぎ倒し、果ては、制止を呼び掛けたパトカーをなぎ払い、そして、今、あの場所に止まっています……』
 悲惨さをこれでもかと込めながら、レポーターが喋り続ける。
 松太を始め、ちょうど制御室にいた面々の手が止まる。
 まぁ、人として、当然と言えば当然ですね。
 その、視線は、テレビに集中する。
「おやじさん……」
 傍らにいたヒロが呟く。
「あぁ、まさかとは思ったがな。多分、この間の奴らだろう。あの車を改修したらしいな。
 しかし、偉くでかくしたもんだなぁ」
 あ〜、松太。
 感動している場合ではないと思われるのですが。
「……分かっている。だが、今は街の復興中だ。バーブを動かすわけには行かない……」
「だったら。俺が、ロイスで行きましょう」
「ヒロ……。スーツのバージョンアップも完了していないぞ? それでも行くか?」
「おやじさんはまだ完治してない。あの二人は、まだ訓練も終わってない。となったら、開発に携わった俺の方が、この場合は手っ取り早い」
 ヒロの顔が、目が、松太にそれ以上の物を語る。
 その目の色に、分かったよと肩をすくめる松太。
 この辺り、良い感じです。
 流石……。
 あ、失礼しました。
 先を続けます。
「……それじゃぁ、頼む、か。だが、無理はするなよ」
「分かってますよ」
 ヒロは足早に制御室を出て、ロイスの格納庫へと向かう。

「スーチャク!」
 ヒロが、シリンダー部屋で叫ぶと、上方から前後に分かれたアーマード・スーツが降りて来て、両手を広げたヒロに、スーツが装着される。
 最後に、ヘルメットも装着される。
 シリンダーの前方が開き、ロイスへと向かう。
 右側面に立つと、ロイスのドアがシート付で飛び出す。
 シートに座るとドアが閉まり、シートが操縦位置に固定される。
「私は、ロイスです。登録者、ヒロを確認。指示を出してください」
「イットキ・ロイス、発進!」
 機械音が響き渡り、前方ハッチが開く。
 イットキ・ロイスが轟音と共に発進する。
「イットキマン。目的地は、どこですか?」
「隣町、アンタッテだ」
「了解」
 イットキ・ロイスは、ジェットエンジンを吹かし、加速して走り去っていく。

 再び、解説しておこう!
 その頃、アンタッテでは……。
 コッツァバーンから発射された光の束が交差する中心。
 徐々にではあるが、空間が波打ち始めていた。
 ここで、説明しよう!
 幾つかの連続した光の筋に見えるが、その一つ一つが、実は、高性能なパルス発信器により、断続的なエネルギー放射を行なっているのである。
 更に、その放射が一点で相互にぶつかる事により、熱エネルギーを物理的は力、早い話が、叩いている、もしくは、衝撃を与えている、その代わりをしていることに等しいのである。
 ただ、それには、莫大なエネルギーが必要であり、その装置自体にも高性能が要求される。
「どうだい?」
 ウーバンが心配そうに聞く。
「そうですねぇ、この分だと、まだ、一週間はかかるんじゃ、ないかと……」
「え〜! 一週間もかい、そんなに待てないよぉ」
 ぱか。
 ウィーン。
「おら〜、ビックリしただぁ。
  いやぁ、びっくりだぁぞう。
  パオーン」
 ぱたん。
「……まったく。お前は。こんな物ばっかり作って」
「あら、ウーバン様。これって、このシリーズではお約束ですから。たまには新しい物出さないと」
「いい訳すんじゃ、無いよ!」
 ボカ!
「しゅびばしぇん」
 いや、ホント。ビックリです。
 ついでと言っては何ですが、今し方出たのは、新コックピットメカの“ビックリしたゾウ”でして、象と○造を掛けてまして、一昔前の田舎風の象です、はい。
 ─もっと前かも知れない。更に言えば、ピー。作者談─

 只今、一部に表現できない文章がありましたこと、お詫びします。

 気を取り直して、続きを。
「ウーバン様。この時代の技術力じゃぁ、この程度が精一杯ですよ。小生が基礎から作り上げられれば、もっと短縮できます、けど」
 説明がてら自慢話も入れるところが、流石、セイビーである。

 さてさて、三悪の痴話喧嘩の後、しばらく経ったころ、一台のエアカーが、コッツァバーンに接近していた。
「高速で接近してくる物体がある」
 レーダーを見ていたキリーカが報告し、セイビーがモニターに映し出す。
「これって、この間の、ヘッポコマンの車じゃないかい?」
「あ〜もぅ、イットキマンですよ。手伝いに来てくれたのかしら?」
「そんなこと、ある訳、ないだろ!」
 ボカッ!
「しゅびばしぇん」
 そんなことをしている間に、イットキ・ロイスが近い場所に停車した。
 上部から、イットキマンがせり上がって来る。
「数ある悪事、一時も許さず、一時の安らぎ守るため、一時、今、この一時だけのイットキマン、ここに参上! トウ!」
 飛び上がると、ロイスから、ボードらしき物が飛び出してくる。
 それに乗り、コッツァバーンに向かっていく。
「ヒョウシ、キッター!」
 叫びながら、円盤状の物をコッツァバーンに投げつける。
 ひゅんひゅん
 エネルギー放出をしている装置のいくつかに刺さる。
 当然、放出が止まる。
 更に当然、余剰となるエネルギーの内圧が高まっていく。
「あわわ〜わ〜。放出停止!
 ふぅ、自爆は回避しましたよ。でも、蓄積されてますんで、やばいことに、変わりはありません、けど」
「その貯まったエネルギー、放出できないのかい?」
「だ〜か〜ら〜。放出が出来ないから、やばいんじゃぁないですか」
「てことは何かい? こういう事態を想定していなかったってことかい? このスカポンタ〜ン!」
 ホカッ!
「しゅ、しゅびばしぇん。
 そう言えば、さっきの口上、前回と違ってませんでしたか?」
「そうかい?」
「確かに違ってる……」
「しかしなんだねぇ、あいつばかりが喋るのは、面白くないねぇ」
「あっ。また、ろくでもないこと、考えてますね」
「ようし。行くよ」
「ウーバン様、止めましょうよ。キリーカ、お前も来い」
 しばらくすると、コッツァバーンの上部ハッチが開き、ウーバン、セイビー、キリーカの順で表に出てくる。
「つ、疲れるねぇ。なんでエレベーター付けとかなかったんだい?」
「前作から、見え切り口上なんか、してないでしょ。だから、コスト削減してます」

 作者注※前作って言うのは、私の中での前作でして、これより前の作品もあるんですよ。ちょっと待ってください。

「お〜っほほほほほ。古今東西、未来から過去、奪って、奪って、奪い尽くす。ウバンダーとは、あたし達の、ことだぁ〜」
 当然、二人は着いてこない。
 しかし、何故、最後だけ歌舞伎調になるのか……。
「ちょいとぉ、お前たち、一緒にやっておくれよ」
「そんなこと言われても、いきなり始めるんだもんなぁ、合わせらんないですよ、ぼくちゃん」
「俺も、のれん」
「何だってぇ〜。もう一度言ってごらん」
 あ〜、悲しき三悪。
 いつものごとく痴話喧嘩を始めてしまうのです。
「はっははははは。もう仲間割れか、悪とは、悲しいものよ」
 イットキマンが茶々を入れるが、皆さんもきっと同じ気持ちのことでしょう。
「フットビマン! 言わせておけばぁ、悔しい〜〜」
「私は、イットキマンだ!
 ヒョウシキッター! 補助!」
 先ほど投げた円盤状の物を投げつけ、その後に、長方形の物を投げる。
「わぁ〜」
 それを、叫びながら慌ててよけるウバンダー達。
「メカ戦だぁ!」
 きぃ。
「あ、待ってくださいよぉ。ウーバン様〜」
 三悪がメカの中に戻ると、同じく、イットキマンもロイスに戻る。

 ここに、二回戦の幕が切って落とされた。
 ごわぁ〜ん。
「ロイス、バルカン砲掃射!」
「了解」
 左ドアがスライドして、バルカン方が掃射される。
 ちゅんちゅんちゅん
「セイビー! 反撃だぁ〜!」
「ほいな」
 コッツァバーンの右サイドからランチャーがポップアップする。
 小型ミサイルが連射される。
 ズガーン。
 ドカーン
 ロイスの至近距離に命中する。
「回避します」
 ロイスは危険を感知して後退する。
「ミサイル発射!」
 左ドアを開き直し、ランチャーからミサイルが連射される。が、小さい、所謂小型ミサイルよりも更に小型のミサイルである。
 ズガーン。
 ドカーン。
 コッツァバーンの至近距離に命中していく。
 コッツァバーンも、小型ミサイルの雨をかいくぐりながら、イットキ・ロイスに反撃を続ける。
「らちがあかないねぇ。何かないのかい?」
「そうですねぇ、あの、余剰エネルギーを放出しましょうか」
 そう言うと、席を立ち後部へと消える。
「キリーカ。セイビーが戻るまで、応戦をおし!」
「分かった」
 ミサイルや、レーザーで応戦する。
 一方、イットキ・ロイスでも、イットキマンが作戦を練っていた。
「街中はまずいな。ロイス、後退しながら海岸方面へ行ってくれ」
「了解。押されてる振りをしながら、安全地帯へ誘導します」
 復唱するや、ロイスは後退を始める。
 それを勘違いしたウーバンは……。
「キリーカ、いいねぇ。押してるよ」
 押してるように見えるが、それでも、被害箇所はコッツァバーンの方が多い。
 その証拠に、セイビーの席にあるモニターが、赤く染まっていく。
 一方そのころ、調整に行ったセイビーは……。
「いてぇ〜。もう少し、静かに運転しろよ。え〜と、ここを、こうして。よっ」
 ボヤキながらも、切り替え作業を進めている。
 更にめまぐるしく、場面は変わってコックピットでは……。
「キリーカ! 何やってるんだい。しっかりおしよ」
 何故ウーバンが唸っているかというと、押してるはずなのだが、何故か、被害が多いのはコッツァバーンで、使用不能となる武装が増えているからである。
 さて、ロイスが正確なのか、ウバンダー達が間抜けなのか……。
 ─両方ですね。ロイス談─
「今、裏で何か言ってなかったかい?」
 ウ、ウーバンが、ナレーターの首を……。
 やめ、止めて……。
 ぜはぜは。
 あっ。
 さて、もう一回気を取り直して、話を進めていきましょう。
 ロイスの後退により、戦場が徐々に海岸方面に移り始める。
 しかし、その移動の際のコッツァバーンの攻撃が、どうしても家屋、ビルを破壊してしまう。
 こと、ここに到って、警察は、その戦闘を阻止することを諦めたようである。
 それもその筈、阻止をすれば警察の被害が甚大になることは、最初に痛い目にあった訳ですから、理解していない筈はないです。
 と言うことで、人命を守ることを目的とし、避難の誘導に当たっていたのである。
「はい。そこ! 押さないで、こっちです」
「そこ! 列から出ないで!」
 その中で、誘導の指揮をとっている巡査長が呟く。
「あの、後から来た、イットキマンとは、一体何者だ?」
「……何者でも、良いじゃないですか。とりあえず、あのへんてこりんな車両を連れて行ってくれたことですし」
「ま、まぁな……」
 そう締めて、誘導の指揮に戻っていく。

 さて、その頃、アンタッテの被害を最小にすべく、後退を続けるイットキマンとロイスは……。
「ロイス。あと、どれくらいで海岸だ?」
「あと、5分ほどです。大丈夫、ロイスの装甲は、やわじゃぁありませんから」
 その間も、コッツァバーンからの物理兵器の攻撃が続いている。
「キリーカ! 何で、仕留めらんないんだい」
 ウーバンは怒鳴るが、キリーカは……、聞いてないのか、もくもくと攻撃を続けている。
 そこへ、調整がやっと終わったセイビーが戻ってくる。
「やっと終わった。
 あらぁ〜。モニター真っ赤、何ですけど? ウーバン様」
「へ〜、そうかい。コツババーンは、もろいのね」
「むくれなくても良いじゃないですか。
 それじゃぁ、行きますよぉ。今回のフィナーレ!」
 セイビーがボタンを押すと、先ほどの針の山が出てくる。
 そして、水平に曲がる。
「照準セット!」
「照準OK」
 同じ頃、イットキ・ロイスでは……。
「敵が、次の攻撃準備に入ったようです」
「回避できるか?」
「通常兵器であれば問題はありませんが、先ほど上空に向けていた兵器と思われます。直撃されたらひとたまりもありません。現在の姿勢では、変形できません」
 そして、コッツァバーンでは……。
「発射〜! ポチットナ」
 針の山からエネルギー・ビームが放たれる。
 収束型ではない。
 幾筋ものエネルギー・ビームがイットキ・ロイスを目指す。
 ロイスは、速度を上げて交わす。
 ロイスは何とか交わしているものの、命中したビルが溶解し、住宅は炎を上げて燃え出す。
「まずいぞ、ロイス。街が……」
「消化弾を撃ちます」
 後部兵装から、消火弾が幾つも打ち上げられる。
 打ち上げられた消火弾が、炸裂して燃えている住宅を消火していく。
 溶解したビルについては、どうしようもなかった。
「まもなく海岸です」
 一分もせずに海岸に出る。
「ロイス。右へ後進して前進しろ!」
「了解!」
 ロイスは、その指示どおり動き、やっと前進することが出来た。
「ロイス、バード変形!」
「了解!」
 ロイスは、とりあえず、翼を展開し、下部エア圧を上げて浮き上がり、後部ジェットエンジンを点火させて飛び立つ。
 飛び立つと同時に残りの変形を完了させる。
 ロイス・バードが飛び立った後、コッツァバーンが海岸に現れる。
「もう! スカ! 逃げられたじゃないかぁ」
「大丈夫ですよ〜。照準固定、自動追尾セット!」
 セイビーがパネルを操作して、攻撃の目標を自動追尾するようにセットする。
 ロイス・バードは、その攻撃を何とかかわしているが、今のところ接近することが出来ない。
「くそ〜〜。これじゃぁ接近できない」
 何とか突破口を作りたいのだが、エネルギー・ビームが執拗に追ってくるため、コッツァバーンに突っ込めないのである。
 その一方で、どこまでも伸びていくエネルギー・ビームは、何故か、大気圏を抜けて宇宙空間にある衛星を破壊していた。
 その事を、全く気付いていないイットキマンと、ロイス。
「イットキマン、聞こえるか」
 打開策が見いだせないところへ、松太からの通信が入る。
「はい」
「そのビームを早く止めてくれ、何故だか拡散せず、軌道上の衛星が破壊されているらしいぞ」
 松太からとんでもない連絡が入る。
「えっ? 分かりました。位置計算をして、何とかしてみます」
──さぁ、困ったぞ。
「ロイス、衛星の位置は把握できるか?」
「難しいですね。元になる情報を持っていません」
「くそぉ〜。
 ……そうだ! ロイス、チャフを撒けるか?」
「チャフ、ですか。相手のセンサーの種類が不明であるため、効果の程は期待できません。ですが、撒き散らすことは可能です」
 ここでちょっと解説を入れておこう。
 最先端のAI学習型コンピューターとは言え、所詮は、コンピューターである、と言うことなのか、あるいは、作者の趣味、なのかも知れない……。
 ─それは、コンピューターへの差別です。ロイス談─
 あ。これは失礼なことを言ったようです。
 それでは、話を進めましょう。
「撒いてみてくれ」
「分かりました。チャフを撒きます」
 ロイス・バードの後方に、キラキラと輝く物が舞う。
 それがウーバンの目に留まり……。
「きれいだねぇ、何のショウが始まるんだい?」
「違いますよ、あれは、チャフでしょ。レーダーを錯乱させるための物ですよ。
 ぐふふ。
 でも、ご安心を。このコッツァバーンのレーダーには、影響ありません」
 説明しよう!
 確かに、チャフは、電波式のレーダーに限って、かなり有効である。
 どのように有効かと言うと、レーダーとは電波によって物体の反射波を受け、その時間差によって距離や場所を特定する物である。
 よって、チャフに反射した電波も拾ってしまうため、あらゆる場所に反応を出すことで、レーダーを使用不能と同じ状態にするのである。
 だが、コッツァバーンでは、電波式のレーダーを使用しておらず、三次元映像を元にした、この時代ではかなり先を行くセンサーを使用しているため、この程度のことでは、影響がない。
 結果、ロイス・バード内では、どんよりした雰囲気が漂うことになる。
「イットキマン。エネルギー・ビームの照準に狂いはないようです。電波式ではないレーダーを使用しているようですね」
「だめか」
 方法を考えあぐねるイットキマン。
 と、その時!
 旋回を始めたロイス・バードの後方で、何かが起こっていた。
「イットキマン、後方で、チャフが気化。あるいは爆発と同じ現象が発生しています。複雑な衝撃波も発生。熱量も徐々に増大しています」
 説明せねばなるまい。
 気化。それは固体(固形物)が液体を経ずに気体になることを言う。
 また、気化する際、周囲の熱を奪った上で、気体になる。
 そして今回は、気化した物質が金属である。
 その気化熱の量はかなりのものとなる。
 結果、周囲との間に生ずる温度差はかなりのものとなる。
 よって、対流が起こる。
 更に、気化したとは言え金属である、対流による気体の分布状態にもよるが、目には見えにくいほど薄い幕を張ったことと同じになる。
 当然、膜が出来れば、ビームの透過率が下がる。
 透過率が下がると言うことは、止まる分が出来る、事になり、今回遮られたのものが、エネルギー・ビームであるため、今度は、その場の熱量が上がる。
 熱量が上がると、夏場の路面近くで見られる揺らめきと同じ現象が発生する。
 いわゆる蜃気楼現象のことである。
 その現象では、肉眼はさることながら、映像として捕えた場合でも、正しく物を捕らえることが難しくなるのである。
 ─尚、ここまでの解説。完璧かどうか、怪しい部分がありますので、全てを鵜呑みにしないで下さい。作者談─
 あ〜。作者の人。コメント入れるくらいなら、説明させないでください。
 ─そうは言っても……。作者談─
 分かりました。
 え〜、それはさておき。
 話を進めて参りましょう。

「よし。ロイス、チャフを撒きつづけろ!」
「了解」
 ウバンダー達は、その事実を見過ごし、ひたすら撃ち続けている。
 徐々に、照準が狂い始める。
「あらぁ? 照準が狂い始めましたね。イットキマンを補足できなくなってますよ。何故だぁ?」
 パネルを操作して原因を突き止めようとする。
 しかし!
「ロイス。後部のあの兵器を破壊する!」
「了解。パスル型レーザーで攻撃します」
 ここぞとばかりに、遅れ始めたビームを回避しながら、一気につめよる。
 パパパパパパパパ
 コッツァバーンの後部兵装とその周囲を狙い撃ちする。
「あっ。分かった!」
「遅いよぉ!」
「えっ?」
 ドカーン。
 ズガーン。
 すさまじい爆発音と共に、コッツァバーンの後部が吹き飛び、その衝撃で、前部が吹っ飛んでいく。
 そして、いつものドクロの爆煙が昇る。
「次は、帰るからなぁ〜〜〜」
「おぼえてらっしゃ〜〜い」
「……」

 かくして、ウバンダー一味の迷惑な行為を阻止することが出来た。

 一時の、一時の平和と幸せ守るため。
 イットキマンは、また現れる。
 おせっかいかもしれないが、俺に任せろ、この平和!
 何れまたどこかで、イットキマンは、いつも君のそばにいる。






第二話 完
縦書きで執筆しているため、漢数字を使用しておりますことご理解ください。
下記、名称をクリックすると詳細を展開します。
いちぢ まつた
伊知地 松太
身長/体重:170㎝/70㎏
学年/職業:伊知地機械工場の社長

 仕事では、優しくも厳しい、昔気質の職人と言ったところだが、頑固一徹になりきれないところが、松太の良いところでもあり、仕事上弱みになっている。
 イットキマンで使用したスーツの設計から独自に作り上げ、更に、BABまで作ってしまう、優れた才能の持ち主。
いちぢ ていし
伊知地 定子
身長/体重:160㎝/??㎏
学年/職業:専業主婦

 全てにのんびりしており、彼女の周りではゆったりと時間が流れているかのよう。
 多分、怒ったことはない。松太は、そこに惹かれたのかも知れない。
ヒロ
身長/体重:165㎝/68㎏
学年/職業:松太の工場で働く中堅社員(30代後半)

 おとぼけな性格もあるが、仕事では常に全力投球している熱血漢。社員の中では、一番まじめ。
 自分で理解していなくても、作業してしまい、物を完成させてしまう、特技がある。
 今回のスーツと、BAB製造にもかなりの部分協力している。
ヒデ
身長/体重:165㎝/55㎏
学年/職業:松太の工場で働く中堅社員(30代前半)

 常に、言い回しが大げさで、まれに、遠回りな物言いをする男。
 仕事は正確だが、前述の性格があるため、不真面目に見えることが多々ある。損な性格である。
タカ
身長/体重:175㎝/70㎏
学年/職業:松太の工場で働く若手社員(20代後半)

 本人は、ぼける気がないのに、常にぼけをかまし、誘導尋問に弱い、かなりまじめな男。
 いわゆる、いじられキャラである。
イットキマン
 松太が作り上げたスーツを着用した、正義のヒーロー。
 一時だけ現れるヒーローであるところから、松太が、思いつきで名乗った(そう言えば、その辺書いてないですねぇ。)。
ウバンダー一味
 何でもかんでも奪い取っていくところから、付いた名前。奪うんだ〜=ウバンダー(安直すぎ?)。
ウーバン
身長/体重:165㎝/??㎏
学年/職業:三悪=ウバンダーの女ボス

 性格は、シリーズに準拠(う、手抜き)。
セイビー
身長/体重:170㎝/60㎏
学年/職業:三悪=ウバンダーのメカニック担当

 何でも作ってしまう、すばらしい才能の持ち主。だが、どこか抜けているところもある。
 当初は、違う名前を付ける筈が、語感としてぴったりだったため、コンバートされこの名前になる(いい加減)。
キリーカ
身長/体重:180㎝/75㎏
学年/職業:三悪=ウバンダーの怪力担当(?)

 その怪力を見込まれて、バンバーに雇われた。が、ここまで付き合う予定はなかったはず。
 哀れなキャラ。
ざぶじゅーば
座舞ジューバ
 一戸建て、アパート、低層マンション等々が、乱立する、閑静な住宅街。
 その一角にある、町工場が主人公のいる場所。
アンタッテ
 一戸建て、中層ビル、オフィスビル等々が、乱立する、どちらかと言えばオフィス街。
 主人公の住む隣町。
バーブ
BAB=BigAirBan
 伊知地松太が作り上げた、大型のマシンである。
 後部には、伊知地松太の家を格納しているが、屋根が飛び出ている(弱点ですね)。
 その他、前部格納庫に、イットキ・ロイスを搭載する。

●推進力:圧縮エア。●燃料::酸素+水素(燃料電池)。●全長・全高・全幅:40m・10m・7m。●武装:前面にパルス型のレーザー砲●上部に多目的ミサイル・ランチャー。
ビーキュウ
 伊知地松太の製品第一号で、全高130cm、胴回り70cmのロボットなのだが、ビービー、緊急! 緊急! とうるさく、結局売り物に出来ず、自分の所で小間使いとして使っているのだが、結構文句を言う。
 用は、性能はすばらしく良いのである。うるさくなければ……。
 使用用途としては、機械の修理、人体などの熱源サーチ、お茶入れ、などなど使えるのだが、持った得ない。
イットキ・ロイス
 伊知地松太とヒロが作り上げた、車型のマシンである。
 ほぼ全てがコンピューター制御され、搭乗者の指示に従いつつ、最適な方法を割り出して行動するようになっている。
 また、音声により、復唱から助言、話し相手までこなす。この時代で考え得る最高の優れたAIコンピューターが搭載されている(松太の中での思い込み、と言う可能性はある)。

●推進力:圧縮エア/ジェットエンジン。●燃料:酸素+水素(燃料電池)/ガソリン。●全長・全高・全幅:5.5m・1.45m・1.5m/8.2m・1.56m・6.42m。●武装:左ドア:バルカン砲●マイクロミサイル・ランチャー/フロント左右にパルス型機銃を六門。下部にはクレーン。
アバランカー・セカンド
 セイビーが作り上げた、肋をモチーフとした中型のマシン。
 元々、巨大メカとの合体を想定しているため、マシン下部の中心に、接合部を兼ねた背骨がある。
 コックピットは、ほぼ中央にある。
 ホイールを使用することで、エア走行が不可能な場所でも走行が可能。

●推進力:高圧縮エア。ホイール一体型リニアモーター。燃料:酸素+水素(燃料電池)。●全長・全高・全幅:9m・1.8m・2.7m。●武装:後部にパワーキャノン●上部に多目的ミサイル・ランチャー。
コッツァバーン
 セイビーが、アバランカー・セカンドをベースに作り上げた、骨盤をモチーフとした大型マシン。
 コックピットは、ほぼ中央にある。アバランカー・セカンドからの流用である。
 超大径車輪で、スパイクのついた金属製であるため、概ねどんな場所でも走れる。その為、ダンパーを多数使用している。

●推進力:高圧縮エア。ホイール一体型リニアモーター。●燃料:酸素+水素(燃料電池)。●全長:全高・全幅:4m・5m・6m。●武装:後部にエネルギー・ビーム。上部にパラボラ・レーザー。右側にミサイル・ランチャー。上部中央にハッチ、下部中央にハッチ。
ビックリしたゾウ
 セイビーが作った、新種のコックピットメカ。
 ビックリすることがコックピットなどで起こると出てくる。



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